東京都薬用植物園へ行ってきました。|アロマテラピー検定学習用

アロマテラピー検定を勉強し始めてから植物に興味を持ったのをきっかけに、植物園へ行くようになりました。
今回は、東京都薬用植物園。

「精油の原料植物を生で見てみたい」という願望を叶えようと・・・

所在:東京都小平市
最寄駅:東大和市
植物数:1000種以上(四季合わせて)
訪問時期:2021年9月下旬

 

東京都薬用植物園では名前の通り、薬になる植物(例えば、ハーブ類やアロエ、有毒植物など)を見ることができます。
しかし、当然それだけではありません。鑑賞用植物や果実がなるような馴染みの植物など、たくさんの種類の植物を見ることができす。

僕にとっては新しい植物が数え切れないほどたくさんあり、改めて植物の奥深さに感銘を受けました。

 

そこで、2ヶ月ほど経ってしまいましたが、今回東京都薬用植物園で見ることができた植物のうち、いくつかを紹介していきたいと思います。

アロマテラピー検定の参考や植物の面白さなどを伝えられたら幸いです。

 

今回ご紹介するのは、「アロマテラピー検定の対象精油に関わる植物たち(または、それに近い植物)」のプロフィールです。

 

 

アロマテラピー検定の対象精油に関わる植物
(または、近い植物)

  • アップルゼラニウム

別名 シロバナニオイテンジクアオイ(白花匂天竺葵)
科名/属名 フウロソウ科/テンジクアオイ属
原産地 アフリカ南部地域
開花時期 4~7月
花言葉 「あなたの愛を信じない」
特徴

多年草。

白く小さい花を咲かせる。

葉からリンゴの香りがするゼラニウムであることからその名が付いた。

ちなみに、アロマテラピー検定の対象となっている「ゼラニウム精油」がとれるローズセラニウムも、アップルゼラニウムと同じニオイゼラニウム(センテッドゼラニウム )。

利用法 虫除け
その他

ニオイゼラニウム(センテッドゼラニウム )は、ゼラニウムの中でも葉から匂いがする種類。匂いの種類によって名前が付いている。

フウロソウ(風露草)は、周囲を木々で囲まれた草刈り場(風露野)によく生えていた草との説。フウロソウは小さい花を咲かせる。

テンジクアオイ(天竺葵)は、ゼラニウムの葉が葵に似ており、外国から来たということで付けられた。

 

  • フェアエレンゼラニウム

 

別名 アーモンドゼラニウム
科名/属名 フウロソウ科/テンジクアオイ属
原産地 南アフリカ
開花時期 5~7月
花言葉 「真の友情」
特徴 多年草の園芸品種。

ピンクと紫を混ぜたような、綺麗な花を咲かせる。

葉からアーモンドの香りがすることからこの名が付いた。

アップルゼラニウムと同じくニオイゼラニウム。

利用法 虫除け
その他 フェアエレンとは「正直なエレン(女性の名前)」という意味。

 

  • イランイランノキ

 

別名 イランイラン
科名/属名 バンレイシ科/イランイランノキ属
原産地 インドネシア
開花時期 5~10月
花言葉 「乙女の香り」「誘惑」
特徴

花は、緑→黄→橙 という順で色が変わる。

イランイランからとれる精油は、ロマンティック・官能的な香りを持つ。インドネシアでは、新婚カップルのベッドにイランイランの花弁を敷き詰める風習があるところもある。

精油には皮膚刺激があるので注意。

利用法 アロマテラピー、香水
その他

イランイランという名は、フィリピンの言葉の一つタガログ語のilang-ilang「花の中の花」に由来。インドネシアからフィリピンに伝えられた。

バンレイシとは、アジアや中南米などで食べられる果物。和名は「釈迦頭」、別名「シュガーアップル」。

 

  • セイヨウハッカ(西洋薄荷)

 

別名 ペパーミント、コショウハッカ
科名/属名 シソ科/ハッカ属
原産地 ヨーロッパ
開花時期 6~8月
花言葉 「心の暖かさ」「真心」
特徴

多年草。

花は、白色や紫色。

ミントといえばこれ。ガムや菓子類、料理などの香辛料として有名。ハーブティーとしても使われ、消化不良に効くとされる。また、ペパーミントに含まれるメントールには、集中力や眠気覚まし、抗菌作用があるとされている。

精油には皮膚刺激があるので注意。

利用法 アロマテラピー、お菓子、料理、ハーブティー、お酒など
その他 強い香りがコショウを思わせることからその名が付いた。
ウォーターミントとスペアミントの自然交配種。

 

  • セイヨウヤマハッカ(西洋山薄荷)

 

別名 レモンバーム、ビーバーム、コウスイハッカ(香水薄荷)、
メリッサ
科名/属名 シソ科/コウスイハッカ属
原産地 南ヨーロッパ
開花時期 6~8月
花言葉 「思いやり」「共感」
特徴

多年草。

花は、白色や黄色。

葉にはレモンのような香りがある。

料理などの香辛料やお酒の香り付けとして使われる。
ハーブティーに使われることでも有名。

抗菌、抗ウイルス作用や鎮痛作用があり、風邪予防や感染症の抑制にも使われる。

精油には皮膚刺激があるので注意。

利用法 アロマテラピー、お菓子、料理、ハーブティー、お酒など
その他 ミツバチがこの花の香りを好み集まることから、ギリシャ語の「Melissa」(ミツバチ)の名が付いた。
また、英語で「balm(バーム)」とは香油という意味。

 

  • パチョリ

 

別名 パチュリ、霍香(かっこう)
科名/属名 シソ科/ミズトラノオ属
原産地 インドネシアやフィリピンなどの熱帯アジア
開花時期 9~10月
花言葉 「隠蔽」
特徴

多年草。

花は、紫色。

日光があり水はけの良い土壌環境を好む一方で、強い日光には弱い。また、茎は頑丈で細かい毛が無数にはえている。

精油は土の匂いだが、甘くウッディ調の香り。

利用法

衣類の虫除けなど。
また、スキンケアやエキゾチックな香りのフレグランス、アロマテラピー、ポプリなど。

乾燥させたパチョリである霍香は、漢方薬にも使われ、胃腸の不調を整えるためにも使われる。

その他 「パチョリ」は、インドのタミル語で「緑の葉」の意味。
インドでは昔、高級の衣類を販売する際にパチョリを添えて売っていたことから、パチョリが付いている衣類は高級品というイメージが付いた。これを利用して、低品質の衣類を販売する際にもパチョリを添えることで、高級感を出そうしていたという。
 
  • マンネンロウ(万年朗)

 

別名 ローズマリー(Rosemary)、迷迭香(めいてつこう)
科名/属名 シソ科/マンネンロウ属
原産地 地中海沿岸地域
開花時期 秋〜春
花言葉 「思い出」「追憶」
特徴

花は、紫っぽい青色。
秋から春にかけて小さな花が咲く。

葉には清々しい香りのあるハーブ。

多年生の低木。生え方には、垂直に育つ立性、地面を這う様に育つほふく性、その中間の半ほふく性の3種類がある。

また、ローズマリー精油にはケモタイプ(化学種)が存在する。
ケモタイプとは、同じ種類の植物でありながら、精油の構成成分が異なる種のこと。
ローズマリーの場合、カンファーを多く含む種、シネオールを多く含む種、ベルベノンを多く含む種の3種のケモタイプが存在する。それぞれ香りが違う。

利用法 アロマテラピー、料理の香り付け、香辛料、ハーブティー、入浴剤など
その他 学名の「Rosmarinus」はラテン語で「海のしずく」を意味する。
また、「聖母マリアが、青いマントを白い花が咲く香りの良いこの木に掛けたところ、翌朝花が青色に変わっていた」という伝説があり、そのことから、この木を「マリアのバラ(Rose of Mary)」と呼ぶ様になった。

中世において、「70代のハンガリー王妃がローズマリー水を使用して若返り、ポーランドの王子にプロポーズされた」という逸話が残っている。この水は「ハンガリアン・ウォーター」と呼ばれ、「若返りの水」とも言われていた。
この逸話から、「永遠に若い」=「万年朗」という和名が付いたとも言われる。

 

  • ラベンダー

1. ラベンダー’アボン・ビュー’(フレンチラベンダー)

 

2. ラバンディン・ラベンダー’グロッソ’(ラバンディン系)

 

主な系統 ・イングリッシュラベンダー
・スパイクラベンダー
・ラバンディン(イングリッシュとスパイクの交配種)
・フレンチラベンダー
・レースラベンダー
・フリンジドラベンダー
など
科名/属名 シソ科/ラヴァンドゥラ属
原産地 地中海沿岸
開花時期 5~10月
花言葉 「あなたを待っています」「期待」「清潔」など
特徴

花は主に紫色だが、白やピンクもある。

ラベンダー精油は、フレッシュでフローラル感のある、心地良い香り。心を穏やかにしたり、鎮痛作用、睡眠の質向上など様々な効能があるとされ、万能精油とも言われる。
ラベンダー精油は、アロマテラピーの中でも特にメジャーで、アロマを初めてやる場合、まずラベンダーから入る人が多い。

日本でも北海道などで一面のラベンダー畑が見られる様に、品種改良が盛んに行われている。そのため、世界には多種多様なラベンダーがある。

暑さに強い種、弱い種、中間種など様々あるが、基本的に高温多湿には弱い。

利用法 アロマテラピー、ポプリ、ハーブティーなど
その他

英名「Lavender」は古いフランス語「Lavandre」に由来。このフランス語は、「Lavo(洗う)」や「Lividus(青みがかった鉛色)」に由来。
・「Lavo(洗う)」は、古代ローマ人が、虫除けを期待してラベンダーを入れた水で洗濯したり、入浴の際にラベンダーをお湯に入れたりしていたことから。
・「Lividus(青みがかった鉛色)」は、花の色。

また、アロマテラピー(Aromatherapy)という言葉は、近代のフランス人科学者ルネ・モーリス・ガットフォセが生みの親。自身の火傷の治療にラベンダー精油を使用し、その経験から精油の治療的な経験を著書「Aromatherapie」で発表。

 
 
  • レモングラス

 

別名 レモンガヤ、レモンソウ
科名/属名 イネ科/オガルカヤ属
原産地 インド、スリランカ
開花時期 7月
花言葉 「爽快」「凛々しさ」
特徴

多年草。

花は、薄いピンク色。

葉を揉んだりするとレモンのような香りがする。

精油はジンジャーとレモンを混ぜた様な香り。

ハーブティーに使われることで有名。

日当たりと風通しがよい場所で水はけのよい土を好む。
また、高温多湿を好み耐寒性が無い。
日本では西インドレモングラスは暖かい地方で育てやすい。ただし、日本では花が咲きにくい。

胃に刺激を与え、消化作用もある。

利用法

ハーブティーによく使われる。
カレーのスパイスとしての使用や、タイ料理のトムヤムクンの香り付けにもよく使われる。

インドでは、アーユルヴェーダでも使用される。

また、虫除けスプレーの定番でもある。

その他 ススキと似ているので、間違える人も多い。

レモングラスには、西インド種(西インドレモングラスなど )と東インド種(東インドレモングラスなど )がある。
西インド種は日本ではハーブティーとしてよく使われる。
東インド種は精油を取り出しアロマに使われる。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。

ここで掲載したのはほんの一部で、かなり多くの種類の植物が東京都植物園にはありました。

季節でないものもありましたが、実際に植物を間近で見ると、アロマテラピーの勉強になるだけでなく植物自体にも親近感が湧きました。
そして、もっと植物の魅力を知りたいと思うようになりました。

アロマテラピーだけでなく、ハーブやフィトテラピーなど、植物を活用して私たちの心身を豊かにする手段は、自然の中で生きてきた私たち人間にはかなりマッチしているのだと思います。

僕は、街で見かける花壇などにも目がいくようになり、ますます植物にハマりそうです。

アロマテラピーやハーブ、フィトテラピーなど、植物の勉強をしている方、植物に興味がある方、そして、ただただ癒されたい方にぜひ訪れて欲しい場所です。

以上、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。